2015年12月10日付け、産経新聞電子版によると、京都大学は
「平成28年2月に実施する一般入試の2次試験から、受験生による時計の持ち込みを全面的に禁止すると発表した」
(産経新聞「京大決断!入試不正防止で時計持ち込み全面禁止 国立大で初、2次試験から」)
そうです。
確かに、年々携帯型時計を使用した不正のリスクは増しています。
記事にもあるように、スマホとほぼ同等の機能を持つ腕時計もあります。
しかし、気になったのは「時計をどうするのか」です。
記事では、1000万円を投資して時計を整備するようですが、どのような時計にするのか不明です。
もし、教室前方に壁掛け時計を設置するだけであれば、かえって不公平が生じる恐れがあります。
というのも視力の悪い受験生は時計を見るのに手間取るからです。
それどころか、時計が見えない受験生もいるかもしれません。
おそらく私は、前方に一般的な壁掛け時計があるだけでは、おおまかな角度からだいたいの時間が分かるだけでしょう。
もちろん前の席になればいいのですが・・・。
視力の良い受験生と悪い受験生で、試験中に不公平感が生じかねません。
数分、数秒の差で合否が分かれることもあり得ますし、時計が見ずらいという精神的な負荷は少なくとも有利にはならないでしょう。
ちなみに「眼鏡やコンタクトで度の強いものをしろ!」という批判もありそうですが、解答の際に目への負担がありこれまた少なくとも有利とは言えない状態があり得ます。
以上のような理由から、厳重なチェックを持込時計には行う方が現実的ではないでしょうか。
もちろんこの方法も検討はしたのでしょうが。
もし時計持込禁止にするのであれば、
①大型のデジタル時計を設置する
②全席に時計を配置する
③希望に応じて時計の見やすい席を提供する
といった対策が必要になるのではないでしょうか。