さて、先日テレビで見た、映画「君の名は。」。
※以下、映画内容に関することに言及しますので、未鑑賞者はご注意ください。
歴史的名作という声もありますが、私は「良い作品ではあるけど、傑作とかではないかなあ」という印象です。
1回見ただけの感想ですが
(良かった点)
・絵が素晴らしい
・鑑賞後も、なぜかこの映画を考えてしまう
・同時には入れ替わってなかったというトリック
(悪かった点)
・入れ替わりで、なぜお互い、3年の歳月差に気付かないのか。
・女性が、男性に会いに行く。
つまり、3年前の男性=中学生。男性の通学経路・時間が同じなのは不自然。
容貌も異なるはず。
・岐阜へ女性を探しに行く。
同行者二人は、男性の描いた絵を見てすぐに隕石消滅町であることに気付けなかったのか。あんな特徴的な地形の町はないだろうに。
・男性も風景ですぐに分かるはず。報道断ちでもしているとしか思えない。否応なく大災害+あの地形の町なら、記憶に残るはず。
詳しい方から見れば、理解可能なのかもしれませんが・・・
個人的には、
・年が違うことに気付かない:夢うつつ状態で、特定の事柄には気付けない精神状態だった
・女性が会いに行った男性は中学生のはず:中高一貫校なのかも
くらいしか思い付きません。
(ところで・・・)
ネット上には、作画ミスとして
・男性のマンションのドアが左右逆になっている
・新幹線の座席(3列-2列)が本物とは逆
といったことが挙げられているようです。
一部の方は作画ミスとしています。
しかし、私は意図的だと思います。
こだわりのある製作者のようですし、
入れ替わりがテーマの映画です。
作中に入れ替わりを意図的に潜ませたと思います。
(そして・・・)
何回か登場するクレーンは、主人公二人の暗喩というネット記載もありました。
確かにそうですね。
私は、小津安二郎監督「東京物語」(1953年)を想起してしまいました。
東京物語のなかにも、何度か
・物干し竿と背景に走る子供
・煙突
が登場人物を暗喩しているシーンがあります。
また、意図的に部屋にあるものの配置を変えるイタズラ心?もあります。
映画に詳しいわけではないので、これらは一般的な手法なのかもしれませんが・・・
さて、ラストシーン。
二人が再会を果たすシーンです。
女性は、神社から出て階段を下りてくる。
男性は階段を上り終えずに、女性に声をかけて、階段下りる。
勝手な解釈ですが、これも隠喩ではないでしょうか。
女性があの神秘的な世界の呪縛から解放されたことを示唆しているように思えますね。
それにしても、女性の呼びかけられた瞬間の笑顔。
泣き笑いにしてもちょっと老けてるなあと思いました。
考えてもみれば、これも当然。女性は3歳年上です。
以上、いろいろ考えましたが、これだけ考えてしまうだけでも作り込まれた映画ですよね。
繰り返しますが、1回見ただけの直感的感想ですので、詳しい方から見れば「解釈が違うっ!」という点もあるでしょうがお許しを。
まだ見たことのない方は、一度は見ても損のない映画ですよ。