※以下ネタバレありです。
中国映画です。先日テレビで放送していました。
ベネチア国際映画祭で最優秀作品賞を獲得するなど高評価な映画でしたので観てみました。
結論 芸術系映画なので楽しむ点では期待外れ、映像は素晴らしい
あらゆるところに隠喩が込められている気配がします。
・女性主人公はあらゆるシーンで水(一回だけお茶)を飲んでいる。
・背景が「壁+開口部」のシーンが異様に多い。
・男性主人公は白いシャツ、それ以外は上半身裸の男
男性主人公と女性主人公の異なる二つのストーリーが、非常にゆったりと進行していきます。
共通点は場所が、三峡ダムで沈む予定の街であることだけ。
驚いたことに、この二つのストーリーが交わることさえなく、あっさりと終わっていきます。
ストーリーの入れ替わりにUFOが飛んだり、ビルがロケットになり飛んでいくという意味不明な表現があります。
物語は表現の手段にすぎず、重視していないような気もしました。
造り込まれていることは素人でも分かります。
音声なしで映像のみを美術館で放映していても、苦情はなく、評価されるでしょう。
雑然とした街並みやダムのために取り壊されていく街の建物のがれきの山。そういったものさえ映像で美しいと感じるほどです。
長江の流れと山並みももちろん美しいです。
煙草、アメなどといった文字が出てきますがこれらにもどの程度意味があるのか謎です。
そして、驚きなのがどうやら男性主人公は俳優ではなく監督の親類の人のようだということです。
プロの俳優でないからこそのオーラがあります。
とはいえ、観ていて面白い映画というわけではありません。表現手段としての映画という印象ですね。映画祭では絶賛されたようですが、プロはどのような点を評価したのか気になります。