ある元三重大学生のブログ: 映画
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2023年12月10日日曜日

【映画】ナポレオン(2023年米国)

★4つ(最大5つ) 

映画ナポレオンを観てきました。

日本公開から日が経っていませんが、劇場はガラガラ。

ネットにある評論記事も厳しいものが多い印象です。

ただ、タイムスクープハンターが過去に撮影してきたかと錯覚するようなリアルさ。音響も手抜きなし。映画館で観るべき映画だと思います。

映像・音響を堪能しましょう。


ちなみに、私は高校世界史の教科書のナポレオン時代(2~3ページくらい)を読んでから鑑賞しました。これは良かったです。

書店で高校世界史資料集でもいいので読んでから鑑賞するだけでも映画に多少は付いていけます。数ページ程度、数分で読める分量です。少なくとも戴冠式の絵画の解説だけでも目を通しておきましょう。


【良かった点】

・映像が凄い。いや超凄い。

実写だけでもエキストラをとんでもない数使ってますね。

画面の隅の方のエキストラは、気が抜けていることがあるのですが、この映画視聴時には見当たりませんでした。

また、小道具やセットも凄すぎです。

膨大な量のモノが細部までこだわりをもって作られています。


・音声が凄い

全て凄いのですが、私が特にすごいと思ったのが鳥のさえずりです。

屋内で会話シーンも注意すると色々な環境音が使用されており、臨場感が素晴らしいです。

大砲の凄まじい音響が耳から離れません。


【悪かった点】

・ストーリー

評論家からも書かれていますが、ストーリーはよくありませんでした。

せっかくの超一流のアカデミー賞クラスの映像・音響ですが、話がイマイチです。


そもそも、ナポレオンのことを何も知らないと、何ら解説もなく進んでいってしまうのでついていけません。欧米の人には常識レベルだからでしょうか。

ナポレオンの半生を勉強したい方向けとは言い難い内容でした。(私も全く専門外ですが。)


また、多少コミカルに描こうとしたのかもというシーンがいくつか出てきますが、逆効果でした。

ただし、個別シーンは極めてリアリティがあるので、抽出して高校の授業などで利用するのは効果的だと思います。


・リアルすぎてキツイ部分もあり

王妃に子息ができない。ということが繰り返し出てきます。「跡継ぎのための私生活」の部分が繰り返し描写され一度でいいだろという印象です。

また、戦闘シーンが余りにリアルで苦手な方はご注意を。いきなり最初のシーンから処刑場面が描かれます。デモ行進する群衆に大砲を撃つシーンも本当に撮影したのではないかというリアルな映像。

PG12指定ですが、R15相当以上のイメージでしょうか。


ちょっとTV放映は厳しいかもしれませんね。


2023年7月16日日曜日

映画「君たちはどう生きるか」

※ネタバレを含みます。

 

映画「君たちはどう生きるか」。

映画館で観てきました。

結論から言えば、映画館で観る価値はあります。

ただし、高校生以上でないと理解が難しいかもしれません。

(R指定はないです。音のみのキスシーンが、おかえりなさいから音2回の1回あるだけ。)


とにかく、絵が素晴らしい。

ディズニーをもってしても、不可能な芸術の領域です。

音楽は、久石譲氏の音楽(悪くないが特徴もない)や米津玄帥氏の歌(今までの歌と雰囲気は同じ)で良いですが新鮮味はありません。

音響も、収録に行ったんだろうなぁというリアルな鳥の鳴き声や足音です。


私が観たときは、ガラガラで2割くらいの観客でした。

信じ難いことに公開3日目の日曜日です。宣伝なしなので空いていたのかもしれません。

混雑前に早めの鑑賞をおすすめします。


内容としては、宮崎作品で最後()と言われるとそれにふさわしい内容でした!


事前公開はあの鳥のポスターくらいですよね。

あの鳥は、重要ではありますが、意外にも主題ではありません。

渋い雰囲気でそれかよ!という印象ですね。

口の中に目がありますがストーリー上、正しい描写です。


「崖の上のポニョ」では映画評論家から水の表現が絶賛されました。

今回は、火の表現が素晴らしく、中心となっています。


鳥と火が重要キーワードの映画です。

正直なところ「火の鳥」という題名の方がまだ良かったと思います。

題名「君たちはどう生きるか」はストーリーに関係しません。

正確に言えば、出てはきますが、本そのものが出てくるだけで何ら重要な役割は果たしません。どこか強引なシーンでカットシーンでも不思議ではありませんでした。

宮崎監督が影響された本というのは分かりますが、題名にしたのはまずかったですね。


全体的にこれまでの宮崎作品の総括となっており、「千と千尋の神隠し」に似ているとか同作のお父さんだろとか、この場所って「カリオストロの城」「トトロ」だろとか、「天空の城ラピュタ」の雲では?などなど盛りだくさんです。

さらに高畑勲監督の作品の気配もかなりあります。そもそも主人公の少年真人は「火垂るの墓」を想起させます。

また、村上春樹の作品を思わせるファンタジーな部分も大きいですね。


とにかく、絵が素晴らしいです。1コマ切り取って額縁に入れて飾りたいシーンが沢山ありました!


あと、もののけ姫で出てくる「こだま」に相当するキャラも可愛いですね。グッズ販売したら売れそう。

(いや、これ「すみっコぐらし」では?空中に浮かんでいくシーンでは住友林業の「きこりん」だろとツッコミましたが・・・。両社から訴えられないといいですね笑)






出所:住友林業ホームページ


ストーリーは、終盤1/3程度が強引で残念でした。

想像するに、かなりカットシーンも多い映画ではないかと思います。

・冒頭で空襲警報と思わせて火事でした。

→本当は空襲だったが、ウクライナ情勢などで火事に変更した可能性。

あるいは、宮崎監督の意向で空襲としたくなかった?

周囲の人物のふるまいからも空襲の気配が大きく、戦時中の東京という状況からも純粋な火事とは考えにくいです。

ただ、空襲シーンはありません。戦闘機も一切出てきません。病院(にしては広範囲?)が燃えるシーンが出てきます。なぜ火事としたのかは議論がありそうな気配。

その他として・・・

・主人公の少年は、初めて鳥がしゃべっても一切驚かず、追い返そうとする。

・下女たちは容姿が人間離れしており不気味。また、なぜ1名が重要シーンまでついてくるのか謎。

・「下の世界」の墓は誰の墓なのか謎。主人公が墓の主を呼び出してしまう?ものの、なぜか助けに来た人が火で輪を書くだけで収まる。

突然大波が来て映画「インターステラー」かよとツッコミたくなる。

・父の新妻はなぜ不思議の世界へ行ったのか?出産をそこでしたいのか?(終盤唐突に正気に戻っています)

・いきなり継母をお母さんと呼ぶ主人公に違和感。間に何か欲しい。助けに行くのは人として素晴らしいが義理は特にないはず。

・実母は人間ではなかった?

・積み木のシーンで、突然数秒だけ雑な説明画像を挟む意味

・母の叔父は、主人公を跡継ぎにしたいのか、助けたいのか、元の世界に戻したいのか全くはっきりしない。

・最終シーン近くで、鳥の王が積み木を素早く積むがだれも止めずに全員フリーズ→滅亡

・結末を考慮すると、当初40分くらいを使う現実世界シーンが長すぎでは?

・結末が、ちょっとくらい余韻あるだろうと思わせて、東京に戻りますで終わり。いきなりブルースクリーン→エンディング。なぜブルースクリーンを挟むのか何か意味があるのか?

題名から、生きる意味や方向を主人公の少年が得て終わりという展開かと思いきや、ファンタジー世界からの脱出で一段落してオシマイ。


???という間に幕引きが急速に図られ、しっかりした展開なら3部作くらいになりそうな展開です。何らかの事情で2時間にさせられたのでしょうか。

前半で欲張りすぎてるんですよね。


映画は、

①面白くて短く感じる

②つまらないので長く感じる

のどちらかですが、今回は

面白いけど長く感じる

という非常に珍しい経験をしました。

宮崎駿監督の素晴らしさと老い?を感じる作品です。


そして、今後も、この映画に関して「隠された意味」「君たちはどう生きるかの怖い真実」などと扇動的な動画投稿で一儲けしてやろうという勢力も出てくるでしょうが、惑わされず冷静にいきたいものです。


2022年3月21日月曜日

映画 長江哀歌 (原題:三峡好人)

※以下ネタバレありです。

中国映画です。先日テレビで放送していました。

 ベネチア国際映画祭で最優秀作品賞を獲得するなど高評価な映画でしたので観てみました。

結論 芸術系映画なので楽しむ点では期待外れ、映像は素晴らしい


あらゆるところに隠喩が込められている気配がします。

・女性主人公はあらゆるシーンで水(一回だけお茶)を飲んでいる。

・背景が「壁+開口部」のシーンが異様に多い。

・男性主人公は白いシャツ、それ以外は上半身裸の男


男性主人公と女性主人公の異なる二つのストーリーが、非常にゆったりと進行していきます。

共通点は場所が、三峡ダムで沈む予定の街であることだけ。

驚いたことに、この二つのストーリーが交わることさえなく、あっさりと終わっていきます。

ストーリーの入れ替わりにUFOが飛んだり、ビルがロケットになり飛んでいくという意味不明な表現があります。


物語は表現の手段にすぎず、重視していないような気もしました。

造り込まれていることは素人でも分かります。

音声なしで映像のみを美術館で放映していても、苦情はなく、評価されるでしょう。

雑然とした街並みやダムのために取り壊されていく街の建物のがれきの山。そういったものさえ映像で美しいと感じるほどです。

長江の流れと山並みももちろん美しいです。


煙草、アメなどといった文字が出てきますがこれらにもどの程度意味があるのか謎です。

そして、驚きなのがどうやら男性主人公は俳優ではなく監督の親類の人のようだということです。

プロの俳優でないからこそのオーラがあります。


とはいえ、観ていて面白い映画というわけではありません。表現手段としての映画という印象ですね。映画祭では絶賛されたようですが、プロはどのような点を評価したのか気になります。

2021年1月24日日曜日

(映画)聲の形 こえのかたち

映画「聲の形」(こえのかたち)

聲:声の旧字体


この映画は、主に中高生向けなのかなという感じがして、すでに大学を卒業した人間が書くのもちょっと恥ずかしいのですが、なかなか良い映画なので書こうと思います。

私がこの映画を始めて観たのは、数年前にEテレで放送されていた際に偶然途中からチャンネルを合わせて、最後まで見てしまったというものでした。

幸いにもちょうど、小学校時代の回想が終わるところからで違和感なく見始めることができました。

なお、ネットでは学校で観たといった話も散見されますが、生徒に教育として見せる映画ではないのかなという印象です。

すでに3回程度この映画を見ていますが、受ける印象が変わっていきますね。

1回目(途中から):絵と音楽がいいな。なんだか引き付けられるな。めでたしめでたし。

2回目:1回目の感想に加え、ストーリーが強引過ぎないか?非現実的な展開が多いな。

3回目:1,2回目の感想に加え、主人公の男(石田)女(西宮)が最大の悪役なのかもしれない。

彼らには悪意はなく、むしろ善意で行動している。しかし、その結果は悲劇である。「地獄への道は善意で舗装されている」とはこのことかな。


絶賛する感想も多いのですが、私はそこまでは陶酔できません。違和感がどうしてもあります。

・さすがに相当ないじめをしておいて、会いに行くなよ。せめて1回にしとけよ。

会いに来られた方もなぜか告白するほど好きになるなよ。(困惑)

西宮母も簡単に自宅に受け入れすぎだろ。

・遊園地のシーンは高校生とは思えないドロドロ。石田を利用する川井の思惑とか植野の行動とか高校生とは思えない政治的動き。お前ら本当は中年だろ。

・原作をわずか2時間に圧縮する相当な努力とはいえ、次々シーンが変わりストーリー展開が急すぎ。いきなり葬儀シーンは必要なのか。直後に養老天命反転地にデートに行くし…


一方で、何度見ても

・絵がきれい。色合いとかも自然で癒される。

・細かいこだわりがあって飽きない。随所に出てくる花は花言葉が合わせてある。シーンも対称を考えて制作されている。

例:弦に石田が傘を差し出す⇔西宮が植野に傘を差し出す

少年時代の石田が池に飛び込む⇔西宮・石田がノートを取ろうとし池に飛び込む

序盤の石田飛び降りを花火で思いとどまる

⇔花火のなか飛び降り自殺しようとする西宮を助け、石田が代わりに落ちる

・BGMやエンディング音楽がいい。

・登場人物の顔を×印で覆ってしまう演出が斬新。


その他

・石田の母が札束を燃やすと脅すシーン。私は札束に目が行ってしまい(笑)気づきませんでしたが、母親の耳の傷が強調されずに数秒出てくるんですね。だからこの直後にイヤリングを引きちぎられる回想シーンにつながるわけです。


・未だに理解できないのですが、西宮はなぜひどいことが書かれたノートを大事に持っているのでしょうか。池に落ちたとたん迷いなく池に飛び込むほどに。


・西宮はすでに(または当初から)不可逆な心的障害を負っており、周囲を翻弄するようになってしまているのではないか。たとえ彼女は善意でも。


・川井が嫌いという意見が多く理解できるが、西宮を責める意見は少ない。しかし、西宮がもっと一般的外観(美少女キャラではない)場合、反西宮の人々が増えるのではないか。もし、永束が中身は同じで西宮役だったら…西宮の味方は大幅減であろう。

我々の善意や正義感も当てにならないのだ。


・西宮の飛び降りシーンで、一瞬床に誕生日に西宮母が被っていた三角帽子が置かれているが何を意味するのか?

石田は水中に落ちたのになぜ助かったのか。助けが来るのに相当な時間を要するのではないか。


・石田姉は謹慎中の弟を自らの子供の迎えに行かせるが、この姉問題ありだ。


・最初と最後に表現される真っ黒い画面の中の小さな点の意味するものとは?中には二人の人物が映っているようですが、ぼやけていて誰かはわかりません。片方は背が低く石田・西宮ではなさそうです。意図がいまだにわかりません。


原作も読んだこともないのに、いろいろ文句を書きましたが、なぜか引き込まれる映画です。是非一度ご覧ください。

2019年9月21日土曜日

映画「天気の子」

※以下、内容や結末に関する内容が含まれます。


【総評】
悪くはないけど、映画館料金で見るほどではない。
ジブリには及ばない。中二病的な面が大きい。
米アカデミーでの受賞は、最も良くて部門賞。おそらく受賞なしと予想。


【良い点】
・作り込みがすごい。映像がとても綺麗
・意外な結末。シンプルながら、ありそうでない。
・一定の社会性(気候変動など)

【悪い点】
・音楽が一部くどい
・スポンサーが前面に出すぎる
・イマイチ物語に入り込めない。何かが足りない。

【私の意見】
①結末
意外な結末と聞いていたので、鑑賞後なるほどなあと思いました。

しかし、唸らされるものではないですね。さすがに現実乖離が大きすぎます。
東京が水没すれば、地下鉄、地下電線、上下水道など都市機能を失うことになります。しかし、不自由なしに暮らしている。

好意的に解釈すれば「人間は適応能力があるんだ」となるのでしょうが違和感が拭えませんでした。

②村上春樹との関連
「ライ麦畑でつかまえて(The Catcher in the Rye)」が序盤で複数回画像に写ります。村上春樹が翻訳を担当した本です。

ネット上で見かけないのですが、この映画で私は村上春樹「1Q84」を想起しました。
あの代々木ビルのらせん非常階段。そこを上ると異世界への入口がある。

この設定は「1Q84」で女主人公が首都高速の非常階段を降りることに始まり(異世界へ)、昇ることで終わった(元の世界へ)ことと酷似します。

異世界への入口にはこういう設定が多いんでしょうか?

③社会性
これはアカデミー賞でも評価対象になると思われます。
止まない雨、豪雨、異常気温は気候変動(地球温暖化)を思い起こさせます。

記録的な雨の降り続ける東京は決してフィクションではありません。
あり得る話です。

気象予報士(荒木健太郎気象研究所研究官)が監修者としてエンディングロールに出てきますので、雲の描写も現実的だったような気がします。
「天気の子」監督と雲研究者が語る異常気象 日経サイエンス 新海誠氏×荒木健太郎氏

一方で、疑問が拭えない部分も多いです。

気象の観点で言えば、日照不足は相当に深刻なはずですが、食糧不足の気配はありません。ニュースで少し触れているシーンがあるくらいです。
「東京のみの局地的現象なので食糧生産は問題ないのだな」と自分を納得させながら観ていました。まさか食糧不足で日清のラーメンだったとか笑
特別警報とかの領域を超えてますね。

さらに、父母がいない状況の中3と小学生が、アパートに住み続けているというのは不自然です。
公的支援を受けている気配もなく、年齢詐称してマクドナルドでアルバイトしている始末。金銭目的で中3がアヤシイ店で働く寸前でした。児童売買に等しいような・・・
病院のソーシャルワーカー等は何をしていたのでしょう・・・。警察が連行するまでは児相職員が「二人きりじゃあねえ」とのセリフのシーンがあるのみです。
実際には、児相や生活保護などの制度があるのでこういうことにはならない(はず)ですが。

また、拳銃を拾うという設定も違和感を持ちました。あの怖いお兄さんに奪われて射殺されていた恐れもあります。追い詰められた状況下であっさり撃ちますが、撃ち方も何で知ってんの?

また、ジャーナリスト男が誘拐犯として疑われるから帰れと車内で男主人公(少年)に言うシーン。この直前に警察が少年たちの部屋を訪ねています。
誘拐事件ともなれば大変なことですので、当然張り込み対象でしょう。ノコノコやってきて会っていれば即その場で逮捕ではないでしょうか。

結局終盤で、ジャーナリスト事務所を令状もなしに刑事が訪ねてきただけでした。刑事は勝手に中に入って不法侵入ですねw

また、月給3000円で男主人公は雇われていましたが、なかなかの重罪でしょうね。未成年との雇用関係な上に、低賃金で住み込み(監禁と疑われるおそれも)とは労基署どころか警察案件です。


④スポンサー
日清食品、ソフトバンク、JR東日本など様々な企業がスポンサーになっているようです。しかし、これらの描写が興ざめ。

日清ラーメンは出すぎですし、サントリーもどれだけプレモルやらボスやら映すんだよと思って現実に戻ってしまいます。

しかも、JR東日本は線路を主人公に線路を走らせるという場面を出されて結構社内で問題になっている可能性も・・・
サントリーも未成年に飲酒を勧めるシーンがあり怒ってそうですね。
さらに、マクドナルドも児童労働(国際的には深刻な問題)のイメージを持たれかねません。

⑤編集・BGM
ブツリとブラックアウトする編集は嫌いではありません。
適切なものなら、変に凝るより潔くて好きです。

BGMは盛大すぎますね。無理に盛り上げようとしてませんか。もったいないです。
雨の音は圧巻です。これは映画館だったことでより楽しめました。

最後のシーンは、男主人公しゃべりすぎです。一言でよかった。
エンディングロールの前に、エンディングロール概要があるのは面白かったです。

家出の理由は気になりませんでしたが、そういえば、あの生き物みたいな雨粒はなんだったんだ!?







2018年1月14日日曜日

映画「君の名は。」

受験生の皆さん、センター試験お疲れさまでした。

さて、先日テレビで見た、映画「君の名は。」。

以下、映画内容に関することに言及しますので、未鑑賞者はご注意ください。

歴史的名作という声もありますが、私は「良い作品ではあるけど、傑作とかではないかなあ」という印象です。



1回見ただけの感想ですが
(良かった点)
・絵が素晴らしい
・鑑賞後も、なぜかこの映画を考えてしまう
・同時には入れ替わってなかったというトリック

(悪かった点)
・入れ替わりで、なぜお互い、3年の歳月差に気付かないのか。

・女性が、男性に会いに行く。
つまり、3年前の男性=中学生。男性の通学経路・時間が同じなのは不自然。
容貌も異なるはず。

・岐阜へ女性を探しに行く。
同行者二人は、男性の描いた絵を見てすぐに隕石消滅町であることに気付けなかったのか。あんな特徴的な地形の町はないだろうに。

・男性も風景ですぐに分かるはず。報道断ちでもしているとしか思えない。否応なく大災害+あの地形の町なら、記憶に残るはず。

詳しい方から見れば、理解可能なのかもしれませんが・・・

個人的には、
・年が違うことに気付かない:夢うつつ状態で、特定の事柄には気付けない精神状態だった
・女性が会いに行った男性は中学生のはず:中高一貫校なのかも

くらいしか思い付きません。


(ところで・・・)
ネット上には、作画ミスとして
・男性のマンションのドアが左右逆になっている
・新幹線の座席(3列-2列)が本物とは逆
といったことが挙げられているようです。

一部の方は作画ミスとしています。
しかし、私は意図的だと思います。

こだわりのある製作者のようですし、
入れ替わりがテーマの映画です。

作中に入れ替わりを意図的に潜ませたと思います。

(そして・・・)
何回か登場するクレーンは、主人公二人の暗喩というネット記載もありました。

確かにそうですね。

私は、小津安二郎監督「東京物語」(1953年)を想起してしまいました。

東京物語のなかにも、何度か
・物干し竿と背景に走る子供
・煙突
が登場人物を暗喩しているシーンがあります。

また、意図的に部屋にあるものの配置を変えるイタズラ心?もあります。

映画に詳しいわけではないので、これらは一般的な手法なのかもしれませんが・・・




さて、ラストシーン。
二人が再会を果たすシーンです。

女性は、神社から出て階段を下りてくる。
男性は階段を上り終えずに、女性に声をかけて、階段下りる。

勝手な解釈ですが、これも隠喩ではないでしょうか。
女性があの神秘的な世界の呪縛から解放されたことを示唆しているように思えますね。

それにしても、女性の呼びかけられた瞬間の笑顔。
泣き笑いにしてもちょっと老けてるなあと思いました。
考えてもみれば、これも当然。女性は3歳年上です。




以上、いろいろ考えましたが、これだけ考えてしまうだけでも作り込まれた映画ですよね。

繰り返しますが、1回見ただけの直感的感想ですので、詳しい方から見れば「解釈が違うっ!」という点もあるでしょうがお許しを。

まだ見たことのない方は、一度は見ても損のない映画ですよ。